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1:魔術師

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魔術師のキーワード

  • 創造
  • 具現化
  • 始まり
  • 起源

 

タロットカードで1番のカード!

魔術師!

こいつは「始まり」「起源」「創造」らへんを意味するカードと言われていますが、よく考えると「何で?」って感じがしますよね。

なんで魔術師が始まりなの?

なんで魔術師が起源なの?創造なの?

これを理解するためには、「魔術師」ってのがそもそも何なのかについて理解する必要があります。

 

昔は魔術と科学の境目はもっと曖昧だった

現代人の感覚からすると、魔術=怪しいもの、科学=信頼できるもの、という感覚だと思います。

でもね、昔はもっと魔術と科学の境目は曖昧だったのです。

例えば科学者として有名なニュートンさんは、錬金術士としての顔も持ってました。

ニュートンさんは「万有引力」を発見している一方で、「賢者の石(不老不死になれたり石を金に変えれちゃうすごいアイテム)」の研究もしていたと言われています。

魔術師も、科学者も、どちらも「この世界の法則を解明しようとしている人」だったんです。

だから、科学者でありながら魔術の研究をしている人はたくさんいましたし、魔術師でありながら科学の研究をしている人もたくさんいました。

この二つの職業の境目は、もっともっと曖昧だったのです。

 

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あらゆる物事の起源は、「解明する者」によって開かれる

カップラーメンが生まれたのは、まず「ラーメンを気軽に食べたい」という願望を抱いた人達がいて、その人達がその願望を実現するために、「ラーメンの特性」を研究し、解明したおかげです。

彼らはラーメンという食品を「保存する方法」「それをお湯をかけるだけで食べれるようにする方法」を本気で研究し、ラーメンの特性を解明しました。

だから、カップラーメンが生まれました。

 

それ以前にそもそもラーメンが生まれたのは、小麦をおいしく調理する方法を科学的に研究し、探求した人達がいたからです。

彼らは、小麦をどういう形で整えれば食べやすいか、どういう味付けを加えればおいしいか、どういう具材と合わせればおいしいか、そういうのを考えて考えて、実際に試して、試作を繰り返して、小麦について本気で科学したのです。小麦の特性を解明したのです。

その結果、ラーメンが生まれました。

またそれ以前に、「小麦」という植物の特性を研究し、どうすれば安定して収穫できるかを研究した人達がいたから、小麦粉が生まれたわけで…

 

ラーメンに限らず、どら焼きでもおにぎりでも、あるいは自動車でもスマフォでも発電所でも電波塔でも何でもいいんですが、この世のあらゆるテクノロジーとそれによって生まれた製品は、「解明する者」がいたからこそ生まれました。

彼らがいなければ、「起源」を得られなかったのです。

 

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  • 昔は科学者と魔術師の境目はあいまいだった。どちらも「この世界の法則を解明する者」だった
  • あらゆるテクノロジーや製品が生まれたのは、こういった「解明する者」の存在のおかげである。

だからタロットカードの「魔術師」は、「始まり」「起源」「創造」を意味するわけです。

そういう意味でこのカードは、現代風に訳すのであれば「科学者」と呼んだほうがしっくり来やすいカードなのかもしれません。

 

科学とは我々が考えているよりも、信頼できない

ちなみに魔術師の逆位置は「ペテン」「虚偽」を意味すると言われていますが、これはなぜでしょう?

 

僕達は「科学」と言われれば、ついついそれが「信頼できるもの」だと考えがちです。

でも案外にそんなことはない。

科学は、必ずしも客観的ではない。

人間の思想や信念などの「心」によって歪められることも多い。

 

例えばこんな事例があります。

第二次世界大戦以前のアメリカでは、白人と黒人の差を「科学的に」証明しようという試みが行われていました。

チャールズ・キャロルという科学者は、黒人の脳と白人の脳では僅かに白人の脳が重いことを発見し、これが白人優位性の証明だと主張しました。

「いんちき」心理学研究所 | 白人は日本人より劣等人種

 

19世紀初頭、ヨーロッパでは、「白人は優秀な民族で、アジア・アフリカ人は劣等人種である」という考えが広まりました。そしてそれを「科学的に」証明するために、ドイツの医学者デュンゲルンはヨーロッパ人にはA型が多く、アジア・アフリカ人にはB型が多い。

そしてウシやブタにはB型が多くチンパンジー以降からA型が増えることを示し、「白人がもっとも進化した優秀民族である」と発表しました。

白人は黄色人より劣等種:血液型編 | 「いんちき」心理学研究所

 

これらは、現代人の感覚からすれば「なんじゃそりゃ」って感じですね。

でも人種差別的な感覚が常識になっていた当時としては、「科学的な意見」だったのです。

 

それから、健康市場はとくに「偽科学」が多いことで有名ですね。

「体にいい」とうたわれているものの多くには、いろいろと「非科学」の世界が広がっています。問題なのは、非科学であるにもかかわらず、科学のふりをするものが巷にあふれていることです。

例えば比較的最近の例では、消費者庁からおとがめを受けたものとして「マイナスイオン」があります。

マイナスイオンの効果については懐疑的な意見を持つ科学者が多いにもかかわらず、大手企業はあたかもそれが科学的に確立した機能のように商品を販売しているケースもあります。

科学論文を読む機会がない人々の間では、効果があることの方が常識になっているような状態です。

www.nikkei.com

 

それから「教育」分野も、非科学的なものが多いことで有名です。

10年くらい前に話題になって、未だに信じてる人も多い「ゲーム脳」とか。

ゲーム脳とは、森昭雄さんとかいう日本大学の教授が2002年に書いた著書『ゲーム脳の恐怖』上で勝手に定義された仮説、およびその仮説を示す造語である。

「ゲームをやってる奴の脳みそは、認知症 (痴呆症=いわゆる老人ボケ) の患者と同じ状態になっている」

 

しかし、その根拠になっているのはおもに「森さんの主観・推測」と「森さんオリジナル設計の簡易脳波計」であるうえに、2010年現在、正式な論文すらまったく書かれていないため、まともな学会ではいまだ議論の対象にすらなっていない。

それなのに、毎日新聞がこの仮説をはじめて紹介したのを皮切りに、新聞やテレビがこの造語がさも本当の脳神経学であるかのようにこぞって取り上げてしまったために、本書は10万部以上も売れてしまい、「ゲーム脳」は日本においてとても有名な造語になってしまった。

そんなわけで、この仮説は脳神経学を称してはいるが、「一般書籍とマスメディアが発端のクチコミ」だけで有名になり、根拠はめちゃくちゃで学会ではろくに相手にされていないという一種の都市伝説みたいなニセ科学である。

さらに、ゲーム脳の提唱者である森さんは、運動生理学が専門である体育学科の教授で、脳神経学に関してはまったくの門外漢だ。

しかし、「(筋肉の論文で取った)医学博士」の肩書き(つまり医師でもなく医学部医学科出身でさえない!)を武器に、各マスメディアの協力を得て、さも脳神経学の専門家であるかのように装っている。

これにだまされないよう、十分な注意が必要である。

そんなゲーム脳であるが、いまだにマスメディアや教育関係者を中心に強力な支持者がいる。そこから波及し「あんた、ゲームばっかりやってるとゲーム脳になるわよ!」と信じてゲームを買い控えるカーチャンもあちこちで見かけてしまうのが現状であり、その実害は軽視できるものではない。

http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E8%84%B3

 

あと就活シーズンになると、未だによく出てくるメラビアンの法則とか…

『反社会学講座』で10年前に書きましたけど、メラビアンの法則なんてものはない、とメラビアン博士本人が認めてるんです。

限定された状況での実験結果を日常のコミュニケーションに一般論としてあてはめるのはまちがいだといってるんです。

本人が否定してるのに、今日も日本中のどこかのセミナーで、コンサルタントやマナー講師がメラビアンの法則というエセ科学をさも真実であるかのように教えて、高い講師料を受け取っている

メラビアンの法則をいまだに信じてる人たち反社会学講座ブログ

 

このように、科学とはいつでも真実を伝えてくれるわけではないのです。

科学を語った「ペテン」「虚偽」も多いのです。

魔術師というカードが逆位置になると「ペテン」というキーワードに変わるのは、そういうことを意味してるんじゃないかなーと思います。

 

この世は嘘と虚構に満ち溢れている。

シュバルツ・バルト「ザ・ビッグオー」より

 

こっちに来てわかったことがある

今まで伝えられてきたことの半分は根も葉もない嘘で

残りの半分は利用するために作られた嘘 

エヴァ「メタルギアソリッド3」より

 

いずれ真実がわれわれを自由にしてくれるだろう。

しかし、自由は冷たく、うつろで、人をおびえさせる。

嘘はしばしば暖かく、美しい。

ジョージ・R・R・マーティン「龍と十字架の道」より

 

ある真実を教えることよりも、

いつも真実を見出すにはどうしなければならないかを教えることが問題なのだ。

J.J.ルソー

 

魔術師の実際のリーディング例(別サイト)

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